2月4日(日)、子供フェスタ【第21回青少年の思い発表大会】に参加しました。これは、思春期真っただ中にいる、感性豊かな中学生が、日常生活の中で感じたことや将来への夢や希望、また、様々な悩みなどについて、自分の言葉で思いを語ります。佐伯区内の各中学校から10人が発表しました。どの発表も想いが込められた素晴らしいものでした。
本校の代表は元生徒会長の大岩 拓雄さんです。『本当の「かっこよさ」とは』というテーマで発表しました。【本当の「かっこよさ」とは】
「以上の理由から、生徒会長に立候補します。」私は期待を胸に、1年前、生徒会の道へと進みました。その少し前、私は突然足の病に襲われ、入院することになりました。「手術をするのでしばらくの間、運動しないでください。」医師からそう言われた時、私は不安しかありませんでした。今まで行っていたテニス部にも行けなくなり、空白の時間が生まれたのです。モヤモヤしていたある日、先生から「生徒会に入ってみない?」と、お話がありました。小学校の時に児童会を経験していたこともあり、前々から興味はありました。また中学校は小学校と比べて規模も大きく、人前で活躍できるので「かっこいいな」と思いました。そんな漠然とした憧れの気持ちを抱いて、私は生徒会に入ったのです。しかし、行事の運営をしていくうちに、「とても忙しい割には、あまり目立たないな。」と思うようになりました。「生徒会に入って本当に良かったのだろうか。」「運動ができるようになってから、部活に戻った方が良かったのかな。」複雑な心境で、日々は過ぎていきました。しかし、この思いを大きく変える出来事が起こりました。レクリエーション大会です。本校の行事の1つに、中学生全員でドッヂボール大会を行うレクリエーション大会があります。その日の朝は外が晴れていたので、予定通りドッヂボールを行うことになりました。しかし開始10分後、西の空が暗くなったと思ったら雷雨になり、ドッヂボール大会は中止になりました。当日の朝から雨だった場合はジェンガ大会となっていました。しかし途中からだったこともあり、ひとまず各クラスに1、2セットジェンガを配って対応しました。この時、私は疲れ切っていました。ですが、そのさなか、生徒のみんなや先生から「ありがとう。」「お疲れ様。」などの労いの言葉をかけていただきました。また、後日「レクリエーション大会楽しかったよ。」などと声をかけてもらうこともありました。私は、人前で何か大きなことはしていません。レクリエーション大会に向けて裏方として準備を進めたり、ジェンガを配ったりしただけです。しかし、みんなが楽しんでくれたんだ、という大きな達成感を感じました。学校やみんなの役に立っていると実感した瞬間でした。その後、数多くの行事運営を経験して、自分の中の「かっこいい」という概念が変わりました。それは「何か特別大きなことをしなくしても、周りの人のことを思いやる。そして、そのための行動ができる人。」例えるなら、道に落ちているゴミを拾うことができる人、自転車が倒れていたら起こすことができる人。日々、挨拶、そして私が言ってもらえたように「ありがとう。」と感謝がきちんとできる人。すごく当たり前のことだと思います。しかし気持ちはあっても、当たり前のことであっても、中々行動にうつすことは難しいものです。だからこそ、こういうことができて初めて「かっこいい人」になれるのではないでしょうか。私は今後、進路を決めていく上でどう生きていくか、考える機会が増えると思います。どの進路に進むにしても、将来の自分はかっこいい人であってほしい。そう期待しながら、私は自分が思う『かっこいい大人』になるため、日々努力していきます。
大岩さんは上の思いを、ノー原稿で顔を上げ会場のみなさんに視線を送りながら、はっきりとした口調でゆっくりと自分の言葉で語りました。私を始め会場のみなさんに想いが伝わりました。大岩さん、素晴らしい発表を、
ありがとうございました!!